ケアビジツール開発ストーリー
・突然ですが、皆さんの看護ステーションでは、レセプト担当者と管理者の間で、業務の責任をめぐる感情の対立が起きていませんか?
・毎月、入力ミスや算定漏れで、気づかないうちに30万円以上の収益を失っているとしたら、どう感じますか?

事業経営者、訪問看護ステーションの皆さん、毎日、お疲れ様です。
きっと、利用者様に寄り添って、ケアをされていることと思います。
しかし訪問看護ステーションは、どれだけ素晴らしいケアをしていても、監査で評価されるのは、法令を遵守しているか、記録はきちんと残しているか、運営基準を守っているか、不当・不正請求を行っていないかなど、実際のケアとはあまり関係のないところで、評価されてしまいます。
また、返戻などが増えれば、キャッシュフローが悪くなり、経営にも影響が出ます。さらに、利用者様に追加で自己負担分をお支払いいただくというようなことが増えれば、会社や事業所の信用にも関わってきます。
それぞれの立場で、最高の訪問看護ステーションにしたい!
これは、そんな使命感と責任感で毎日の業務を行う、レセプト担当者とステーション管理者のお話です。
プロローグ

自分が保険請求という仕事を任されている限り、監査や指導で指摘を受けたり、返還命令などが出ることのないようにしたい。それが会社や事業所の評価にもつながるし、現場で利用者様に寄り添ったケアを懸命に行っている看護師さんたちの努力が正当に評価されることにもつながる。
そう信じて疑わずに、責任感で一杯のレセプト担当者。
一方で、レセプト担当者がいるのだから、事務仕事は任せて、自分たち看護師は利用者様に寄り添った最高の看護を提供したい、病院にいたときにはできなかった、利用者様との関係をしっかりと築いたケアをしたい。この難病に苦しむ利用者の命と生活は、自分たちが支えなければならない!
そんな使命感と責任感で一杯のステーション管理者。
そして利用者のほとんどは、難病か医療依存度が高いうえに、認知症状が強く、ひと昔前なら病棟にいたような方が多かったのです。もちろん、丁寧なケアをしても、「ありがとう」の声は聞こえませんでした。
そんな高齢者住宅に併設する、訪問看護ステーションで起きた出来事でした。
責任の境界

今日は1日。レセプト担当者は、毎月のように、介護ソフトに入力されている実績に漏れやミスがないかを、確認していただくように、各ステーション管理者に依頼していました。
彼は、訪問看護を行った記録や実績の入力は、看護師しか書けないし、分からないものだから、現場のスタッフが責任をもって入力するものだと思っていました。
もちろん、彼も知らずに不当請求・不正請求などをしてしまうことのないように、医療保険、介護保険それぞれの算定要件などについても勉強していました。そして、入力された実績に不備がないかもチェックしていました。
そして、運営基準などにも記載されている通り、ステーション管理者も法令については勉強していなければならないものだと考えていたのです。
一方で、ステーション管理者は、月末近くからずっと、勤務表を作成したり、指示書を依頼するなど、非常に忙しく、その上、欠勤や急変があれば、自分自身が訪問に入らなければならない状況でした。
経営上、やむを得ないのでしょうが、管理者が訪問スタッフとしてしっかり入らなければ回らない程度の人員しかいませんでした。
そのような状況でしたから、彼女も、レセプト担当者は事務仕事しかしないのだから、実績のチェックもすべきではないのかと考えていました。
対立と分裂

5日を過ぎた頃。レセプト担当者は、その日もいつものようにレセプトを作成していましたが、退院支援指導加算があるのに、退院日当日に実績のある利用者が複数いることに気づきました。さらに、介護保険と医療保険の両方で同種加算の重複入力や、指示書にも医療機器管理の指示がなく、記録もないのに、先月から留置カテーテルが外れたことを忘れて、そのまま特別管理加算が入力されていました。
いずれも本来、算定してはいけない実績であり、うっかり請求すれば、不当・不正請求となってしまいます。
すぐにステーション管理者に連絡し、理由を確認すると、加算の算定要件を全く知らないようでした。
そこで、レセプト担当者は、1つ1つ、細かに確認を始めました。ステーション管理者は、もううんざりした様子でしたが、彼は全く気にしませんでした。
管理者である以上、算定要件を知らないでは済まされない。そんなふうに考えていたのです。
一方で、管理者である彼女は、実績の算定要件をチェックするのもレセプト担当者の仕事ではないか。そんな風に考えていました。
そしてその1,2か月後、そのステーション管理者は辞めてしまいました。
反省と気づき

レセプト担当者は、当初、自分も悪かったとは思っていませんでした。それでも実際、そのことだけが原因で辞めたわけではないだろうが、きっかけにはなったのではないか。
そう考えることもありました。
そして、介護ソフトに登録されている指示書や記録などから、実績に不備があると突き止めたことを思い出していました。
自分は医療のことはわからない。利用者の状態もわからないし、主治医の指示内容もわからない。だけど、看護師が記録したデータを全部調べることができれば、そして、各加算や実績の算定要件をすべて理解しているなら、明らかな不備なら気づくことができるのではないか?
わからないところは看護師に聞けばよいし、記録の整合性を調べるだけでも、不当・不正請求をだいぶ防げるのではないか。しかも、チェックをこちらで行えば、間違いなく現場スタッフや管理者の事務負担は減る。
自分は医療のことはわからないから、チェックはできないと思い込んでいたけれど、もっとできることがあるかもしれない。そう考えた瞬間でした。
とはいえ、1つのステーションだけで、毎日100件以上、1日数百件の記録をどうやってチェックするのか。他の仕事ができなくなるし、他の誰かにやってもらうこともできない。それが課題でした。
可視化の効果

考えた末、人間がやるには限界がある。パソコンがある時代なのだから、パソコンでできないかな。
できるかどうかもわからないまま、介護ソフトのデータを使って、算定要件をチェックし、業務チャットに通知するプログラムを作ってみました。
そのツールを使い始めると、ステーション管理者が毎月数時間を費やし、それでもチェック漏れの多かった実績がほとんどなくなりました。
今まで気づかなかっただけで、1事業所あたり、毎月入力漏れの実績が100件以上もありました。
介護ソフトの仕様で、後からスケジュールを変更すると、入力済みの実績が消えるのです。ほとんどの人がその再入力を忘れているのでした。
1回の訪問が約3000円と考えても、本来なら請求できたはずの30万円の実績を毎月、捨てていたのです。
このようなことさえ、ツールによって可視化するまで、誰も気づきませんでした。
その後、互いを気遣う関係へ

その後、レセプト担当者は、「実績のチェックをお願いします」と、各ステーション管理者に一律に言う必要もなくなりました。不備があれば、チャットに表示されます。表示されなければ、不備はないということです。
ステーション管理者も、現状、実績の入力に不備がどれだけあるのか、自分で調べる必要はなくなりました。
レセプト担当者に、不備があることを指摘されることもなくなりました。
もちろん、レセプト担当者も10日までにレセプトを作らなければならず、やむを得ず確認しているだけですが、自分の業務の不備を他人に指摘されるのは、やはり嫌なものです。
レセプト担当者は、不備がチャットに表示される管理者にだけ、チェックをしてくださいと言えばよいのです。しかもどの実績をチェックすればよいのかも表示されているので、修正もチェックもしていないのに、チェックは終わりましたなどと言うことはできなくなりました。
不備のある実績は、修正されるまで、毎日、業務チャットに通知されるからです。
頑張ってきちんとチェックを行うステーション管理者には、不備を知らせるチャットが少なく、実績のチェックまで手が回っていない管理者には、不備を知らせるチャットが多くなります。
それは、ステーションの管理業務をきちんとこなしている管理者に対する正当な評価を促すとともに、不備を知らせるチャットが多いステーション管理者は業務にゆとりがなく、管理業務がきちんと回っていないこと、事業所の運営になんらかの問題があることも告げているのです。
また、レセプト担当者がたまたま一部に不備がある実績や加算を見つけた場合でも、他にも不備があるだろうという勝手な思い込みをすることもなくなりました。
こうして、ケアビジツールを導入してからは、管理者とレセプト担当者との感情的な対立が起きることはなくなりました。どちらの業務にも余裕ができました。そのためにお互いの業務を理解しようとし、助け合う関係も生まれたのです。
その後、レセプト担当者は、介護保険や医療保険についてさらに勉強し、法令改定等があった場合に、各ステーション管理者に説明したり、サポートを申し出るなど、ステーション管理者が現場業務に集中できるようにサポートをし始めたのでした。
最後に
長々とお読みいただき、ありがとうございました。
しかし、これはどこの看護ステーションでも起こり得ることだと思います。
この物語は、実際に起きたことです。そして、あなたの事業所の未来なのかもしれません。
ケアビジツールは、時間と心を守り、働く人を笑顔にし、最終的にはあなたの事業所を盤石な経営基盤の上に築くための、最高の投資です。
私たちは、そのお手伝いを全力でさせていただきます。
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